1.現状の課題・要望
●課題
レーザ加工機では、加工中に製品の穴部分(スクラップ)が立ち上がり、ノズルとの接触、破損、製品不良等が発生する可能性があります。
現状の解決策として、穴部分を分割してスクラップを小さくし、下に落ちやすくすることで立ち上がりを防ぐ方法がありますが、穴のサイズや剣山の位置等によっては分割してもスクラップが立ち上がることがあります。
●現状、要望、問題点
穴を分割して加工する場合、右図の様に、穴を分割する加工線を穴のアプローチと共通にして使用するのが一般的です。
この加工方法では、①の分割線と②のアプローチから①の交点まで穴経路を加工した段階で右側のスクラップが落下します。しかし、スクラップが落下せず立ち上がった状態で残っていると、穴加工の終点付近でノズルと衝突し、アラームの発生原因となります。
2.対応策
穴分割と穴のアプローチを別にすることで解決!
Dr.ABE_BlankでNCデータ作成が可能!
下図のように、穴の分割線と穴のアプローチの加工経路を別々に設定し、①→②→③の順に加工します。
①と②の分割線と③の穴加工で出来る左側のスクラップが立ち上がっても、立ち上がったスクラップから離れる方向に加工が進行するため、ノズルにスクラップが衝突しにくくなります。
この分割加工は、Dr.ABE_Blank Ver2.12.15で対応された機能を使用することで、自動でNCデータ作成が可能です。
●設定方法
設定画面 – 終値判定にて穴のサイズを設定し、処理に「なし(カッティングプレート)」を選択すると、下に穴分割の設定画面が表示されます。
左下の「オフセットアプローチの追加」項目にチェック を入れて有効にすることで、分割線とアプローチを分けたNCデータが作成されます。
※オフセットアプローチを有効にした場合、ピアス回数が増えますので加工時間が伸びます。穴分割は穴のサイズに合わせて設定してください。