今回は、Android端末のタブレットを取り上げて、その特徴を説明します。スマートフォンの世界では、iPhoneと並んで有名なAndroidですが、タブレットの世界でも広く普及しています。もちろん、ビジネスでも十分活用できる有力な選択肢です。
Android端末の最大の魅力は種類が豊富で安いこと
Android端末は、Googleが開発したAndroid(アンドロイド)というスマートフォン/タブレット用のOS(オペレーティングシステム)の入った端末のことです。OSとは、ハードウェアと組み合わせて利用する最も基本的なソフトのことで、パソコンのWindowsに相当するものです。パソコンは「OSがなければただの箱」ですが、スマートフォンも「OSがなければただの電話機」にすぎません。
Androidは、「オープンソース」と呼ばれる無料で利用できるOSなので、多くのメーカーがAndroidを使ったスマートフォンやタブレットを製造・販売しています。 有名なところでは、サムスンのGALAXYシリーズ、ソニーのXPERIAシリーズなどがあります。たとえばXPERIAシリーズであれば、ソニーがハードウェアを製造し、そこにAndroidを入れて販売しているわけです。 Android端末の特徴は、端末の種類が豊富なことです。OSが無料なので、メーカーはGoogleにライセンス料を支払うことなく自由に端末を作ることができるからです。また、価格も安めです。もちろん、メーカーによってバラツキはありますが、iPadに比べると、総じて低価格です。あまり有名でないメーカーのタブレットなら、1万円以下で手に入る製品もあります。
なお、Google自身も「Nexus」というブランドでAndroid端末を販売しています。Nexusシリーズのタブレットは、後述するGoogle Playでも購入可能です(実際に製造しているのはGoogleではなく、ASUSというメーカーです)。
アプリはGoogle Playでインストール
Android端末のアプリは、Google Play(グーグルプレイ)で入手できます。Google Playは、iPadでいえばApp Store(アップストア)にあたる機能です。有料/無料のアプリが数多く登録されているので、ユーザーはそこから自由にアプリを選択してインストールできます。
Google Playに登録されているアプリは、すべてGoogleの審査をパスしています。以前は、Googleによるチェックがほとんどなかったため、危険なアプリや海賊版アプリもあったようですが、最近は審査基準が厳しくなり、以前よりも安全性は高まっています。
ただし、iPadに比べると危険なアプリが多いのも事実です。このため、Android端末を利用するなら、パソコンと同様にセキュリティ対策ソフトを入れておくと安心です。Google Playで、次のような無料のセキュリティ対策ソフトをインストール可能です。
不安点はセキュリティとサポートだが、ビジネスでも十分活用できる
Android端末の最大の不安点はセキュリティです。iPadに比べると、危険なアプリが多いのは確かだからです。また、OSのメーカー(Google)とハードウェアメーカーが異なるため、サポートにも不安が残ります。ハードウェアのトラブルはハードウェアメーカーが保証してくれますが、OSに問題がある場合はそうとはかぎらないからです。
ただし、セキュリティに関しては、セキュリティ対策ソフトを入れて、余計なアプリを入れなければ、それほど心配する必要はありません。サポートに関しても、有名なメーカーに製品であれば、それほど心配する必要はないでしょう。
個人的には、Android端末の最大の魅力は価格だと思います。iPadやWindows端末に比べると安いので手軽に導入できますし、万が一、故障しても、それほどダメージはありません。メールやスケジュール確認などのシンプルな使い方で十分なら、Androidのタブレットは、ビジネスでも十分活用できると思います。
なお、auやNTTドコモなどの通信会社でも、Androidのタブレットを販売しています。Wi-Fi(無線LAN)だけで利用できるモデルと、Wi-Fiに加えて通信回線も利用できるモデルがありますので注意してください。通信回線は「LTE(エルティーイー)」や「Xi(クロッシィ)」と呼ばれていて、利用するには通信回線の契約が必要になります。
また、最近はドコモやauなどの通信会社と比較して、格安で通信ができるSIMカードも販売されています。これらのSIMカードをタブレットに装着すると、社外でも3GやLTE回線を使ってインターネットが利用できます。なお、SIMカードを装着するには、タブレットがSIMカードの対応している必要があります。
目的別のおすすめAndroid端末はこれだ!
ここでは、目的別のAndroid端末のおすすめ機種を紹介します。Android端末は、ここで紹介する以外にもさまざまな製品がありますので、あくまで参考としてください。
ほとんど社内で利用して、図面などのPDFファイルを確認に使いたい→NEXSUS 10(Google)
社内での利用がメインなら、GoogleのNEXSUS 10をおすすめします。サイズは263.9mm×177.6mmで重さは約600gと手頃です。Wi-Fi環境で利用できて、Googleのページから直接購入することも可能です。NEXSUS 10は画面サイズが10インチですが、大きい図面を見ることがあまりないなら、一回りサイズの小さいNEXSUS 7もおすすめです。いずれも、ストレージ(容量)は16GBと32GBがあります。大きいファイルを扱うなら、32GBにしておくと安心です。
社外・社内でオールラウンドで使いたい→docomo AQUOS PAD SH-08E
ドコモが販売しているシャープ製のAndroid端末です。ドコモの回線が使えるので、社外でも安心してインターネットが利用できます。もちろん社内ではWi-Fi(無線LAN)で使えます。少々価格が高いのが難点ですが、故障などのトラブルがあったら、近くのドコモショップに持ち込めばよいので安心です。
社外でもとにかく格安で利用したい→SIMカード対応タブレット+SIMカード
社外でも低価格で利用するなら、前述のSIMカードとSIMカードに対応したタブレットの組み合わせがおすすめです。1日に使用できる容量や通信速度に制限があったり、自分で調べなければならなかったりしますが、それが苦にならないならトライする価値はあとります。
次回はWindows端末を取り上げます。