メールとスケジュールは、最も代表的なクラウドサービスです。最大のメリットは、パソコン、スマートフォン、タブレットなど、あらゆる端末から利用できること。いつでも、どこでもメールとスケジュールを確認できるメリットを体験したら、従来のメールやスケジュールソフトが、とても不便に感じるはずです。ぜひ、ビジネスでも積極的に活用してください。
代表的なクラウド型メール、スケジュールサービス
クラウド型メール、スケジュールサービスの代表は、何といってもGoogleです。特に、2004年4月に公開されたGmailは、ITの世界をガラリと変えてしまいました。それまで、どちらかというと亜流、あるいは「あまり使えない」と思われていたWebメールを、仕事でも十分に使える便利なツールに変えてしまったのです。
いまでは、GmailやGoogleカレンダーをはじめとするGoogleのサービスは、大企業も活用するツールへと進化しています。実際の導入事例は、 こちらのページで参照することができます。
クラウド型のメール、スケジュールは他にもあります。代表的なサービスが、マイクロソフトのOutlook.comです。以前はHotmailと呼ばれていましたが、2013年2月からOutlook.comに変更されました。Googleと同様に、Webブラウザだけでメールやスケジュールを利用することができます。
その他にも、ご利用されているプロバイダがクラウド型のメール、スケジュールサービスを提供している場合があります。また、NTTコミュニケーションズが提供するBizメールのように、企業にターゲットを絞ったクラウド型メールも数多く提供されています。
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どの端末からでもメール・スケジュールを確認できるのが最大のメリット
こうしたクラウド型のメール、スケジュールサービスの最大のメリットは、インターネットに接続できれば、どの端末からでも利用できることです。出勤途中にスマートフォンでメールを確認できるのはもちろん、出張先で予定をチェックしたり、重要なメールを書いて送信したりすることが手軽にできます。
クラウド型のメール、スケジュールサービスでは、送受信したメールや登録したスケジュールがクラウド上に保存されます。このため、正しいユーザー名とパスワードさえ入力してログインすれば、どの端末からでもアクセスできる仕組みになっているのです。
また、スマートフォンやタブレットの場合は、専用アプリも利用できます。iOS、Android、Windows 8.1のいずれの場合も、GmailやOutlook.comを利用する専用アプリが提供されているので、これらのアプリを利用すれば、さらに便利に活用することができます。
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迷惑メールが減り、会社やプロバイダのメールを集約できるのも大きなメリット
クラウド型のメールには、その他にもいくつかのメリットがあります。1つは迷惑メールが減ることです。特にGmailとOutlook.coは、世界中のユーザーが利用しているサービスなので、迷惑メールに関する膨大な情報が蓄積されています。このため、迷惑メールをクラウド上でチェックし、「迷惑メール」などのフォルダに自動的に振り分けてくれます。ユーザーは、特に何もしなくても、迷惑メールを目にすることが減るのです。
もう1つは、プロバイダや会社のメールを集約できることです。GmailとOutlook.comでは、プロバイダや会社のメールアカウントを登録することで、そのメールを受信できます。複数のメールアカウントを使い分けている場合は、それをまとめて見られるようになるので、とても便利です。
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便利さの裏の危険・リスクも認識して活用しよう
数多くのメリットがあるクラウド型のメール、スケジュールサービスですが、ビジネスで利用する際には、いくつか注意すべき点もあります。1つは、クラウドサービスを提供している側が停止すると、利用できなくなることです。
巨大なデータセンターで運営されているGoogleやマイクロソフトのサービスが停止することはまずありませんが、可能性はゼロではありません。また、通信機器や回線のトラブルによって、利用できなくなることもあります。
もう1つの注意点はセキュリティです。万が一、スマートフォンを紛失したら、すべてのメール、スケジュールが漏えいする危険があります。クラウドサービスのパスワード管理も重要です。万が一、パスワードが漏えいしたら、見ず知らずの他人が、どの端末からでもあなたになりすましてメールやスケジュールを盗み見ることができてしまいます。したがって、端末とパスワードは、くれぐれも厳重に管理することをおすすめします。
また、クラウド型メールは誰でもアカウントを取得できるため、相手の素性を確認できず、信頼性に劣るというデメリットもあります。したがって、利用するときは、これまで使ってきた「co.jp」や「.jp」のメールアドレスとの併用が現実的でしょう。
次回の最終回では、その他の便利なクラウドサービスを紹介します。