クラウドサービスには、ストレージ、メール・スケジュールの他にも、さまざまな種類があります。今回は、ここまで紹介しなかったジャンルのクラウドサービスを紹介し、クラウドサービスをビジネスで活用するポイントをまとめます。
ワープロや表計算、プレゼンテーションもクラウドで利用できる
第2回では「ストレージ」、第3回では「メール・スケジュール」を取り上げましたが、もちろんクラウドサービスの種類は他にもあります。たとえば、文書作成用のワープロ、さまざまな数値処理をする表計算ソフトも、クラウドで利用できます。わざわざマイクロソフトのWordやExcelを使わなくても、Webブラウザだけで文書作成や表計算処理ができるのです。
代表的なサービスには、GoogleのGoogle Appsがあります。ワープロ、表計算、プレゼンテーションの機能を無料で利用することができます。また、マイクロソフトも、Webブラウザだけで利用できるWord、Excel、PowerPointを提供しています。機能的には、パソコンにインストールするタイプより低くなりますが、簡単な文書を作ったり、計算をしたりするだけなら、十分実用的です。
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顧客管理や見積書・請求書作成もクラウドで実現可能
よりビジネスに直結したクラウドサービスもあります。最も有名なのは、セールスフォースでしょう。米国で誕生したセールスフォースは、クラウド型の顧客管理サービスを提供し、世界中で10万社以上の導入実績を持っています。トヨタ自動車や日本航空、日本郵政グループなどの日本を代表する大企業だけでなく、多くの中小企業も導入しています。こちらのページに導入事例が紹介されていますので、関心のある方は、ぜひ目を通してみてください。
また、最近は見積書・請求書を作成するサービスも登場しています。たとえば、misocaは、クラウド上で見積書・請求書を作成し、郵送手続きまでできます。郵送には料金がかかりますが、見積書・請求書の作成・編集は無料です。Make Leapsも同様のサービスです。
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クラウドのリスクを認識し、従来のソフトとクラウドをうまく組み合わせて活用しよう
このように、クラウド時代には、これまでパソコンにソフトをインストールして利用できていた機能が、どんどんWebブラウザだけで利用可能になっています。しかも、無料で使えるサービスが多く、機能も多彩で、かつデータバックアップの心配がないなど、数多くのメリットがあります。これだけ便利なクラウドサービスが揃っているのですから、ビジネスで活用しないのは、もったいないでしょう。
ただし、セキュリティや情報管理など、注意すべき点もあります。また、サービス規約が急に変更になったり、中には、突然、サービスが終了してしまったりすることもあります。このようなリスクを認識したうえで、自社に役立つクラウドサービスを見つけ、従来のソフトと組み合わせながら、うまく活用することが、いま求められているのではないでしょうか。
本記事が、皆さんのクラウドサービス活用の一助になれば幸いです。