今回は、iPad版のWordとExcelを取り上げて、その実用性を検証します。Windows版と比べると機能が少ないのですが、携帯性に優れたiPadだけに、使い方によっては、Windows版のWord/Excelより便利に活用できるケースも多いと思います。ぜひ、参考にしてください。
簡単な文書作成・編集には十分な実力を持つWord、弱点は文字入力
iPad版のWordは、文書の表示はもちろん、新規作成・編集も十分こなせる実力を持っています。フォント・サイズ設定、箇条書き、インデント、図形・画像・表の挿入など、ワープロとしての基本機能は揃っています。長文だと苦しいと思いますが、A4用紙1枚程度の簡単な文書なら、iPad版のWordで十分作成できます。
最大の弱点は、文字入力です。画面をタッチして入力するタッチキーボードを使うため、「効率的に入力できる」とはいえません。ただし、慣れるとそこそこのスピードで入力できるので、A4用紙1枚程度なら、苦にならないでしょう。
もっと多くの文字を入力するなら、Bluetoothで接続する外部キーボードが便利です。その際には、アップル純正のキーボードをおすすめします。実際に、筆者は純正キーボードとサードパーティ製キーボードを購入しましたが、純正キーボードを使うととても快適に入力できました。一方、サードパーティ製キーボードは、一部の文字が入力できませんでした。たまたまかもしれませんが、サードパーティ製キーボードを購入するときには、十分注意してください。
Wordの校閲履歴は仕事でも活用できる
Wordの大きな特徴は、校閲履歴が使えることです。校閲履歴は、文書にコメントを追加したり、添削したりする機能です。
校閲履歴の記録をオンにすると、挿入した文字は赤+赤い下線付き、削除した文字は赤+赤い取り消し線付きで表示されます。この機能は、企業では、上司が部下の作った報告書をチェックしたり、グループで1つの文書を作ったりするとき活用されています。iPadであれば、電車の移動中でもコメントを入れたり、添削したりできますから、実用性はとても高いと思います。
関数、グラフ、ピボットテーブル、テーブル機能も使えるExcel
iPad版のExcelも、表計算ソフトとしての基本機能は十分です。関数も使えますし、表をもとにグラフを作成することもできます。数値入力用のタッチキーボードも用意されているので、大量の数値も入力できます。このため、複雑な数式を必要としないなら、新規のワークシートを作るのも、それほど苦にならないと思います。
特筆すべきは、分析機能が充実していることです。その代表が「ピボットテーブル」と「テーブル」です。
ピボットテーブルは、データをさまざまな角度から見る機能です。たとえば、「売上金額」「支店」「担当者」「商品」……などから構成された売上一覧表がある場合、ピボットテーブルを使うと、売上データを支店別や地域別、担当者別、商品別などにワンタッチで切り替えて見ることができます。
テーブル機能は、データを並べ替えたり、絞り込んだりする機能です。売上一覧表であれば、売上の多い順/少ない順で並べ替えたり、特定の担当者のデータだけ絞り込んでチェックしたりできます。
iPadであれば移動中や空港・駅などでも使えますし、タッチで操作できるので、時間・場所に縛られることなくデータを分析したい企業経営者には、とても便利だと思います。手軽に分析できる点では、ノートパソコンより使い勝手は上だと思いますので、ぜひ活用してみてください。
次回は、プレゼンソフトのPowerPoint、およびOneDriveやDropBoxなどのクラウドストレージでの連携について説明します。