IoT時代に備えて、光回線などの高速な通信環境に移行することは、とても有効です。しかし、それだけでは十分とはいえません。オフィスや工場内のネットワーク(LAN)環境が遅いと、せっかくの高速な通信環境も効果を発揮できないからです。第2回では、オフィス・工場内のネットワーク環境の整備について説明します。

 オフィスや工場内のネットワーク(LAN)の高速化も重要

 前回は、IoT時代に対応するため、NTTドコモやKDDI、ソフトバンクなどの通信会社が、高速な通信環境を整備していることを説明しました。しかし、それはあくまで、オフィスや工場の外部の話です。いくら通信会社が高速な通信環境を整備しても、オフィスや工場内のネットワーク(LAN)が遅かったら、あまり意味はありません。

 たとえば、クラウドに保存した設計図面は高速に表示されるのに、オフィスのファイルサーバに保存した設計図面はなかなか表示されないといったチグハグな現象が起きるかもしれません。あるいは、オフィスのパソコンから工場の機械の状態を確認しようとしたら、表示が遅くてイライラ、という可能性もあります。

 いずれにしても、IoTがすすんで、工場・オフィス内の機器から発信される情報が増えていくのに、オフィス・工場内のネットワークが遅いままだと、IoT時代に対応することは難しいと思います。仮に、IoTに対応したセンサー付きの最新の工作機械を導入したとしても、工場のネットワークが遅いと性能を十分に発揮できず、宝の持ち腐れになりかねません。

 

現在のオフィス・工場内のネットワークを確認しよう

 そこで、ぜひ確認したいのが、現在のオフィス・工場内のネットワークの通信速度です。おそらく、オフィスや工場では、有線や無線のネットワークが導入されていると思います。有線であれば、ほとんどがイーサネット(Ethernet)という規格です。そして、イーサネットには「10BASE-T」や「100BASE-TX」などの種類があり、種類によって次のように通信速度が異なります。

<有線LANの規格と通信速度>

  • 10BASE-T……10Mbps
  • 100BASE-TX……100Mbps
  • 1000BASE-T……1Gbps
  • 10GBASE-T……10Gbps

無線ネットワーク(Wi-Fi)も同じです。次のような種類があり、それぞれ通信速度が異なります。

<無線LANの規格と通信スピード>

  • IEEE802.11a……54Mbps
  • IEEE802.11b……11Mbps
  • IEEE802.11g……54Mbps
  • IEEE802.11n……300Mbps
  • IEEE802.11ad……6.7Gbps
  • IEEE802.11ac……6.9Gbps

重要なことは、パソコン、Wi-Fiルータ、ケーブルなど、ネットワークを構成する機器が対応している規格を確認することです。そして、対応している規格が古く、通信速度が遅い場合は、最新の機器に変更することも必要になると思います。

 

DMM mobileの動作確認端末一覧【画面1】パソコンのカタログページの例です。「LAN」の項目に有線ネットワークの規格、「無線LAN」の項目に無線ネットワークの規格が書かれています。

 

DMM mobileの動作確認端末一覧【画面2】無線ネットワークに不可欠なWi-Fiルータのカタログページの例です。対応している規格が記載されています。

 

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