最近は、ビジネスでタブレットを利用する企業も増えてきました。しかし、中には「種類が多すぎて何を選べばよいかわからない」という方も少なくないと思います。そこで、本連載では、ビジネスでタブレットを選ぶとき知っておきたい基礎知識をまとめてみました。第1回は、タブレットの種類を説明し、タブレットの代表格 iPad(アイパッド)を取り上げます。
じつはタブレットの種類は3つだけ
たくさんの種類があるように見えるタブレットですが、じつは、大きく分類すると次の3種類しかありません。
- iPad端末
- Android端末
- Windows端末
iPad端末は、アップルが製造しているタブレットです。サイズの小さいiPad mini、薄いデザインのiPad Airなどのバリエーションはありますが、すべてアップルが開発・製造しています。
Android端末は、Googleが作ったAndroid(アンドロイド)というOS(オペレーティングシステム)が入っている端末です。いろいろなメーカーが製造・販売していますが、いずれも、OSがAndroidであるのが共通点です。 Windows端末は、マイクロソフトのWindows 8.1が入っている端末です。これも、いろいろなメーカーが製造・販売していますが、Windows 8.1が入っている点が共通しています。
では、今回は、この中からiPadを取り上げて、その特徴を説明します。
iPadはハードもソフトもアップルが開発・製造しているので安心
iPadは、アップルが開発・製造しているタブレットです。現在は、次のようなバリエーションがあります。
・iPad Air | 薄いデザインのiPadです。 |
・iPad Retina | 画面解像度が高いiPadです。「Retina」は「レティーナ」と呼び、通常よりも解像度が高いディスプレイのことをアップルは「Retinaディスプレイ」と呼んでいます。なお、解像度は画面の細かさのことで、解像度の高いディスプレイほど、細かい部分もきれいにくっきりと表示できます。 |
・iPad mini | サイズの小さいiPadです。iPadが240mm×169.5mmなのに対し、iPad miniは200mm×134.7mmとひと回り小さいサイズです。片手でも楽に持てて持ち運びも容易なので、いつも携帯するのに向いています。画面が小さい分、Webページの表示も小さくなりますが、内容を確認するのにはまったく問題はありません。 |
・iPad mini Retina | iPad miniのRetinaディスプレイ版です。 |
iPadの最大の特徴は、ハードとソフトの両方をアップルが開発・製造していることです。このため、サポートやセキュリティ面で安心です。何かトラブルがあったとき、あるいは故障したとき、アップルに問い合わせればよいからです。これは、ビジネスで活用する際には大きなメリットです。
もう1つの特徴は実績です。タブレットの中ではiPadが最も歴史があり、かつ広く普及しています。このため、企業向けのシステムも、iPadを前提に作られているものが少なくありません。
操作性については、まったく問題ないといってよいでしょう。ハードウェアのキーボードがないため文字入力は苦手ですが、それ以外はとても使いやすいと思います。パソコンは苦手という方でも、十分使いこなせるのがiPadの魅力です。
アップストア(App Store)でソフトをインストールできるので安全
iPad用のアプリは、アップストア(App Store)で購入してインストールできます。アプリには有料と無料のものがあり、有料のアプリは、クレジットカード等で購入してインストールします。
ぜひ覚えておきたいのは、アップストアのアプリは、アップルの審査にパスしているということです。世界中の開発者がiPad用アプリを作っていますが、アップストアに登録されるには、アップルの審査を受けて合格しなければならないのです。
ウイルスのような危険なアプリ、個人情報を勝手に送信するようなアプリは、アップストアには原則として登録されていません。このため、ユーザーは安心してアプリを利用することができます。これは、ビジネスで利用するうえで、最大のメリットといえます。
なお、こうした理由から、当サイトを運営しているアマダアイリンクサービスも、iPad/iPhone用のアプリを開発し、アップストアに登録しています。金属加工で活用できるアプリもありますので、iPad/iPhoneをお持ちの方は、この機会に試してみてはいかかでしょうか。
Ai-Linkお仕事の効率化アプリご紹介サイト
http://www.ai-link.ne.jp/free/ai-link-info/products/ap_runding/index.html
iPad選択のポイントは、サイズ、デザイン、メモリとモデル(Wi-Fi/Wi-Fi+Cellular)
ここまで説明したように、iPadはビジネス用タブレットとしても、非常に優れた製品です。ただし、弱点もあります。1つは価格です。特にライバルとなるAndroid端末と比べると価格は高めです。また、作っているのがアップルだけなので、端末の種類が少ないのもデメリットといえるでしょう。
もう1つの弱点は、フラッシュ(Flash)に対応していないことです。フラッシュは、アドビという会社が開発した技術で、Webページのアニメーションなどに利用されています。このため、Flashの使われたWebページは、iPadで正しく表示されない場合があります。
とはいっても、タブレット市場を切り拓いたのは、間違いなくiPadです。ビジネス用のタブレットを検討する際にも、最有力候補になるのは間違いありません。
iPadにするのであれば、サイズ、デザイン、価格、メモリで決めればよいでしょう。メモリは16GB、32GB、64GB、128GBなどがありますが、メモリが増えるほど価格も高くなります。
また、「Wi-Fiモデル」と「Wi-Fi+Cellularモデル」にも注意してください(「Cellular」は「セルラー」と呼びます)。「Wi-Fiモデル」は、Wi-Fi環境(無線LAN環境)だけで利用できるモデル、「Wi-Fi+Cellularモデル」はWi-Fi環境に加えて、auやSOFTBANKなどの通信回線も使えるモデルです。「Wi-Fi+Cellularモデル」の場合は、通信回線の契約も必要になるので注意が必要です。
目的別のおすすめiPadはこれだ!
最後に、目的ごとに最適なiPadをご紹介しますので、参考にしてください。
◆ほとんど社内で利用して、図面などのPDFファイルを確認に使いたい→iPad Retina Wi-Fiモデル
細かい文字、設計図の細部まできれいに表示できるiPad Retinaモデルがおすすめです。また、社外で利用することがないなら、3G回線やLTEは不要なので、Wi-Fiモデルがおすすめです。大量のPDFファイルを扱うなら、メモリは多い方がいいでしょう。使い方にもよりますが、32GB以上はあった方が安心です。
◆いつも携帯してメールとスケジュールを管理したい→iPad mini Wi-Fi+Cellularモデル
社外でメールとスケジュールを確認するのがメインなら、小さくて軽いiPad miniがおすすめです。また、つねにインターネット接続が必要なので、 Wi-Fi+Cellularモデルが必要になります。メモリについては、メールとスケジュールの確認程度なら、16GBで十分でしょう。
◆社外でも社内でもオールラウンドで使いたい→iPad Air Wi-Fi+Cellularモデル
社外でも社内でも、メールやスケジュール、図面の確認など、いろいろと活用したいのであれば、画面は大きくて軽いiPad Airの Wi-Fi+Cellularモデルがおすすめです。メモリは32GB以上で、資料が多くなりそうなら64GB以上がいいでしょう。なお、図面や写真の細部まで確認する必要があるなら、iPad RetinaのWi-Fi+Cellularモデルがよいと思います。
次回はAndroid端末を取り上げます。