この記事を読んでいる方の中には「サポートが終了しても、インターネットにつながなければ大丈夫だろう」と考えている方がいるかもしれません。確かに、ウイルスのほとんどはインターネットからやってきますので、インターネットにさえ接続しなければ安全のように思えます。しかし、本当にそうなのでしょうか? 今回は、そこを掘り下げます。
インターネットから切り離せば大丈夫?
Windows XPとOffice 2003のサポートが終了しても、インターネットから切り離せば、大丈夫なのでは? という意見があります。ウイルスはインターネットから侵入するケースがほとんどですので、確かに有効な対策です。さらに、インターネットだけでなく、社内ネットワークからも切り離し、完全に隔離した状態で利用するなら、かなり安全に利用できると思います。
たとえば、Windows XP専用のCADソフトなど、Windows XPでしか動かない特殊な業務ソフトを継続的に利用するなら、現実的にはこの方法しかないでしょう。
ただし、ネットワークが利用できないので、当然、メールやWebページの閲覧はできません。また、データをやりとりするときは、USBメモリなどを利用するしかありません。なお、USBメモリがウイルスの侵入経路になる可能性もあるので、データのやりとりに使うUSBメモリなどの機器は、あらかじめウイルスチェックをかけて、安全性を確認したものだけを使う必要があります。
ネットワークから隔離したらウイルス対策ソフトが機能しない!
ただし、この方法にも問題があります。インターネットに接続しないため、ウイルス対策ソフトのウイルス定義ファイルが更新できないのです。ウイルス対策ソフトは、最新のウイルス定義ファイルにもとづいてウイルスを検知するため、ウイルスに感染するリスクが高まります。
特に、いったんネットワークから隔離したWindows XPパソコンを再びインターネットに接続すると、接続した途端にウイルスに感染する危険が高まります。したがって、いったんネットワークから隔離すると決めたら、ネットワークには二度と接続しない使い方をおすすめします。ウイルス定義ファイルは古くなりますが、インターネットに接続するよりはマシだからです。
どうしてもインターネット接続が必要なときはどうする?
とはいっても、どうしてもインターネットに接続して利用せざるえないケースもあると思います。その場合は、怪しいWebサイトを見ないようにしたり、知らない相手から届いたメールは開かないなど、使い方を制限した方が安全です。もちろん、漏洩すると困る情報はパソコンからすべて削除しておくことも必要です。
このように、サポートの切れたWindows XPとOffice 2003を使い続けるのは、かなり面倒です。とりあえず、ネットワークから隔離すれば安全ですが、メールもWeb閲覧もできないパソコンが、はたして仕事で活用できるかというと、かなり疑問です。前述のように、特殊なソフトを動かす専用パソコンとしてくらいしか、使い道はないのではないでしょうか。
やはり、仕事で本格的な活用するなら、新しいWindowsやOfficeを利用するのがベストです。というわけで、次回は、乗り換えるとしたら、どのように選択肢があるのかを紹介したいと思います。