宅配便大手のヤマト運輸が値上げと同時に、荷物の取扱量を前年度より8000万個減らすと発表していた。ところが同社は、早くもこの計画を撤回してしまった。マスコミの報道によると、値上げにより法人などの大口顧客が荷物の個数を減らすと思っていたのが、想定以上に値上げを受け入れたことから、取扱量の削減が進まず、年間3600万個の削減に下方修正したとのことだ。もし法人やアマゾンのような大口顧客がいくらでも値上げを受け入れるなら、さらに値上げを実施して取扱量を目標値まで減らすことも不可能ではないだろう。ヤマトは未払いの残業代の支払い増加で業績が悪化しており、さらに思い切って値上げをすることで、業績を回復させ、従業員の給料も増やすことができるだろう。しかし、そうなっていないということは、アマゾンなど大口顧客との交渉が難航している可能性が考えられる。確かに荷物の急増は、アマゾンなどネット通販事業者の事業拡大が原因だが、そんなことは分かりきっていたこと。それにもかかわらず、十分な体制を組むことが出来ず、未払いの残業代を発生させていたヤマトの経営陣は一定の責任があると考えるべきだ。宅配の事業はもはや公共インフラに近い存在となっており、働き方改革という点でも社会の注目を集めている。同社は今回の目標撤回や今後の戦略について、さらに踏み込んだ情報公開をしていく必要があるだろう・・・!!
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2017/11/10