1.現状の課題・要望
●課題
SUS304 板厚0.2mm等の薄板をスキッド上で加工していると、(Z)- オーバートラベルのアラームで加工が止まる場合があるが、 アラーム停止させずに薄板を加工したい。
●現状、要望、問題点
薄板を加工する場合、消耗しているスキッドの上や、スキッドとスキッドの間では、アシストガスの 圧力で材料がたわんでしまうことがあります。材料が-Z方向に下がると、レーザヘッドも材料に追従 して-Z方向に下がりますが、この時ヘッドが下限値を超えると(Z)- オーバートラベルの アラームで加工が停止してしまいます。
2.対応策
・ハニカムを使用する、もしくは加工条件を変更することで解決!
①ハニカムを使用する方法
スキッドの上ハニカムを置き、その上に材料を載せることで材料を支える箇所が増えるため、たわみ量が減少してアラームを発生させずに加工することが可能になります。
ハニカムの厚み分材料位置が高くなるため、プログラムもしくは加工条件の板厚設定を変更して、ノズルが材料に衝突することを防ぐ必要があります。G93のZ値、加工条件の板厚、どちらかを変更してください。変更方法は、次の通りです。
・G93のZ値を指令する方法
プログラムにG93の行がある場合はZ_.(Z値はハニカムの厚さ)を追加します。
G93の行がない場合は、プログラムのG92X_.Y_.の行の後にG93Z_.(Z値はハニカムの厚さ)を挿入します。
②加工条件を変更する方法
薄板のたわみを抑えるため、必要最低限までアシストガス圧を下げます。アシストガス圧は板厚に応じて調整する必要があります。
(例)0.8MPa→0.4MPaへ変更
アシストガス圧を下げたことで、ドロスや焼け、熱歪みが発生した場合は、出力やデューティを下げ、入熱を抑えることで改善できる場合があります。
(例)3000W→2000Wへ変更
加工条件は、E001やE002といった入熱と加工速度を抑えた条件を推奨します。
加工機種(NC)により仕様が異なる場合があります。