1. 現状の課題
安定加工や連続加工を阻害する要因は以下が考えられます
- 製品や中穴が落ちずアラーム停止してしまう
- 周辺装置による製品搬出ミスの発生
- 集光レンズ、レンズ保護ウインドーの汚れ、ダメージ
- ノズルへのダメージ
これらの発生原因、また要因の1つとして切断不良(ガウジング)が挙げられます
2. ガウジングとは
切断に必要な熱量が得られずに、レーザ光が貫通せず、溶融物が材料上面に噴き出しているような状態のこと。
3. 確認事項
ガウジングが起こった際の確認事項
①集光レンズおよびレンズ保護ウインドーの確認・清掃
②芯がずれていないか確認(芯出し)
③アシストガスの確認
④ノズル清掃及び状態確認(キズや穴の変形)
⑤プログラムの確認
⑥切断条件の確認
4. 対応策
汚れが軽微な場合:部分的なガウジングの発生
⇒レンズ保護ウインドーの確認及びクリーニング
汚れがひどい(状態が悪い)場合:断続的なガウジングの発生
⇒レンズ保護ウインドーの交換が必要となる場合が有ります
⇒集光レンズの交換が必要となる場合が有ります
※集光レンズが汚れると、熱影響により集光レンズが変形し焦点位置(焦点距離)が変わることがあります。
そのため最適な切断位置にならず切断不良を引き起こす原因になります。
②芯出し
芯がずれていると、切断方向によっては正常切断できる部分と、ガウジングしてしまう部分が発生することがあります。
芯出し作業を実施し、レーザ光が中央に出ていることを確認してください。
③アシストガス確認
アシストガスの吐出圧力が低いと、溶けた金属を吹きとばす力が足らずに切断不良になることが有ります。
アシストガス圧によりスパッタが侵入するのを減らすことができるため、レンズ保護ウインドーへの汚れの付着を減らすことができます。
④-1ノズル清掃
ノズルにスパッタがついている場合がありますので、清掃を実施してください。
ノズルにスパッタなどが付着している場合、ノズルギャップ(製品とノズルの隙間)が変動することがあります。そのため、焦点位置やアシストガスの流量が変わり切断不良になることがあります。
④-2ノズルの確認
ノズルにキズや穴の変形がないか確認してください。
ノズルの穴が変形すると、アシストガスの流れが変わり切断不良になることがあります。
④-3HSセンサ調整(倣いセンサー調整)
ノズルを手動で交換を行った際には、Z軸倣いセンサーの調整を行ってください。
*「ノズル清掃」を実施すると、HSセンサ調整も同時に実施します。
⑤プログラムの確認
プログラムにて中穴がちゃんと落ちているか、カス上がりが起きていないかを確認してください。中穴が落ちていないと切断不良に繋がることが有ります。
⑥切断条件の確認
呼び出しているレーザ条件と実加工する材質、板厚があっていることを確認してください。
違ってる場合は、切断不良の原因となるだけでなく、機械を破損する可能性が有ります。
5. 注意事項
- 集光レンズ、レンズ保護ウインドー、ノズル、ノズル芯確認を含め始業前点検は毎日、生産稼働前に実施してください
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